OZZFEST JAPAN 2013 LIVE REPORT

OZZFEST JAPAN 2013

あの伝説のOzzfestが、5月11日・12日の2日間にわたって幕張メッセで開催された。

オジー・オズボーンがオーガナイズする歴史的なロックフェスティバルの日本初上陸とあって、お目当てのバンドはもちろんのこと、 歴史の目撃者となるべく各地から熱いロックファンたちが幕張に集結!
世界に君臨するギタリストSLASHをはじめDEFTONES、TOOLといったカリスマバンド、 日本からはCrossfaith、MAN WITH A MISSION、マキシマムザホルモン、MUCC、DIR EN GREYなどが出演。 フロアを灼熱にすること間違いなしのラインナップが登場した。

なんと言っても、1日目のヘッドライナー"猟奇趣味的激烈音楽集団"Slipknotと、待望の初来日となるオジー・オズボーン率いるBlack Sabbathが2日目のヘッドライナーを務めるとあってファンにはヨダレものの2日間となったのではないだろうか?

 

朝からあいにくの雨模様となった初日だが、そんなものはどこ吹く風、早朝9時開始のリストバンド交換へ駆けつけ、開場とともにメッセ内はどんどん埋まっていく。

まず Opening Act を飾ったのは関西からの刺客 KNOCK OUT MONKY (PURPLE STAGE) と結成わずか2年の ARTEMA (BLACK STAGE)だ。「行くぞ幕張!」と煽れば、フロントエリアに走り出す若者たちで会場が一気に暖まり、そこから怒涛の轟音祭が始まる。

国内外で人気の高い Crossfaith が [jagerbomb] で直球の LOUDでクラウドサーフの嵐を呼ぶと、続くUK出身バンド THE TREATMENT が「Get The Party On」で王道 ROCKN'ROLL をぶちカマし、Fear, and Loathing in Las Vegas の繊細かつ破壊的な [Hey,Girl!!Why My Not Party Like a Bitch?!] で会場は狂喜乱舞!驚くほどに若い彼らが、行き場を持てあましたエネルギーを全て放つかのような衝撃だった。

中盤戦のトップバッターを飾ったのは PUNK ROCK HERO 難波章浩。NAMBA69 として新制3ピースバンドで登場すると歓声が巻き起こった。目が覚めるような攻めナンバーで突き抜けると「メタルファンもアイドルファンもありがとう!みんな全員 STAY GOLD!」と始まった [STAY GOLD] で後ろから一斉に MOSH 前線のなだれが発生![未来へ~It's your future~] の熱いメッセージを届け幕張メッセをライブハウスに変えてしまった。

続いて登場したのは駆使のテクニックを誇る正統派のへヴィメタルバンド GALNERYUS。
[ANGEL OF SALVATION] で Masatoshi "SHO" Ono の透き通るハイトーンボイスと圧巻の演奏でメタラーをノックアウトすると、つい先日武道館を超満員に埋めた "オオカミ集団" MAN WITH A MISSION が [distance] で Slipknot の SID をスペシャルゲストに向かえダブルターンテーブルでのDJ対決!

終盤戦に差し掛かる頃、外はイキナリの土砂降りに。豪雨と共に姿を現したのが久々の来日となった DEFTONES だ。
獰猛な野獣のようにうねるヘヴィな重厚感と独自の世界観で観客をすっかり虜にした彼ら。捧げるように歌いあげた [Change] は先日他界した元ベーシスト・チェに届いただろうか。

メロウな雰囲気が漂う中、一転、キラキラの笑顔でももいろクローバーZが overture と共にステージへ。発表に賛否両論はあったものの、割れんばかりの歓声で出迎えられた彼女たちは「今、目の前にいる私たちがアイドルだー!」と高らかに宣言!
[ピンキージョーンズ] から始まり [行くぜっ!怪盗少女] でパワフルにパフォーマンスを披露すると、一目見ようと押し寄せた観客も徐々に盛り上がりを見せていく。お決まりの自己紹介を終えると高城れにの "気合いコーラ一気飲み" から [黒い週末]。かっこいいダンスとハードロックなナンバーで会場を魅了した。

すっかりアゲアゲになった会場のボルテージを、マキシマム ザ ホルモン がヘドバンせずにはいられない鉄壁セットで更なる灼熱へと誘い[恋のメガラバ]で会場中に"恋のおまじない"をかけた。

残り2Actとなり、PURPLE STAGE のトリは、お馴染みのシルクハット姿にさすがの風格を漂わせお待ちかねの SLASH が登場!
呼吸をするように自然で滑らかなフィンガリングから紡ぎ出されるギタートーンは見るもの全てが釘付けになってしまった。[Ghosts] のブルージーで重厚な質感、[Slither] ではハードにギターをいななかせガンズナンバーから [My Michelle] [Serial Killer] [Paradise City] などもしっかり聴かせてくれた。
圧巻だったのは5分以上も続いたギターソロだ。ギターが泣くとはこういう事かと、その場にいた誰もが思っていただろう。あまりの素晴らしさに拍手喝采の嵐となった。

そして、初日のヘッドライナー Slipknot が"Maggots" の前に姿を現す。
たっぷりワンマンほどもある1時間半のセットで、まずは挨拶がわりと [DISASTERPIECE]、[LIBERATE] でトップギアへ、[BEFOR I FORGET] から [LEFT BEHIND] と脳天を撃ち抜かれるジョーイのドラミングに、コリィのデスボイスと美ボイスが全身のメーターを完全に振り切り、
フロアが阿鼻叫喚の渦と化した!お得意の「サワゲー!ナカユビタテロー!」でこれでもか!というほど煽り、曲中、観客全員を座らせた [SPIT IT OUT] で大興奮のうちに本編が終了。

アンコール直前バックドロップに、2010年に他界したポール・グレイの#2が映し出され"Maggots"はしばし感傷に浸り立ち尽くす。
怒涛の [(SIC)] ~ [PEOPLE=SHIT] ~ [SURFING] でアンコールを閉め、全てを出し切った"猟奇趣味的激烈音楽集団" Slipknotで1日目の幕が降りた。

CLOSE

まるで、いつも陽気なオジーを歓迎するかのように、昨日とはうって変わって晴天・夏日に恵まれた幕張。とうとう日本で Black Sabbath が見れるとあって、会場に向かう表情はどれも期待に胸を膨らませていた。2日目は前日の爆発的なエネルギーとは対照的に、内面から静かに焼きつくしてくれる面々がお目見えする。

この日の OpeningAct を務めたのは、妖艶な雰囲気に反したパワフルなヴォーカルが魅惑的な HEAD PHONES PRESIDENT (PURPLE STAGE)と、西洋×東洋ロックを織り交ぜたクールな fade (BLACK STAGE) が切り込んできた。

幾多のライブを重ね coldrain が磨きのかかったメロディック・ラウド [The Revelation] で観客の心をつかみ、メタルシーンで知らない人はいないであろう ANTHEM が [ONSLAUGHT] で日本メタルの真髄を魅せると海外でも定評のある MUCC の [G.G.] でムッカーだけではなく様子見オーディエンスを取り込んでしまう。

少しずつ飲まれていく奇妙なハイテンションの中、過去に唯一日本人として Ozzfest に出演した経験のあるTAKESHI 率いる AA= が [DIGItoTALism] [sTEP COde] のデジコアの攻撃的リズム強烈なメッセージを発信し、更なる深みに落とし込んでいく。
そこへ、まるで脳みそを休息させてくれるかのようにド派手な懐メタル衣装で STEEL PANTHER がやってきた!MC では終始笑いを誘うが、[Party All Day] など楽曲クオリティは本物だ。

すっかり会場中を華やかに染めくれた彼らの後を、これまた奇抜なインパクトで人間椅子が登場!鯉口リーゼントに袴姿、白塗りのお坊さんという出で立ち。何ともヘヴィなギターにベースが絡みつくようにうねる戦慄サウンドで、興味をそそられ足を止めた者たちは度肝を抜かれてしまう。[針の山] では物珍しさで見ていた観客も、ハイレベルなサウンドに絶大な賞賛を送った。

後半戦に突入し登場したのは、昨夜ヘッドライナーを務めたばかりの Slipknot ボーカル/コリィと、 ギタリスト/ジェームズが活動する stone sour。ステージ狭しと走り回るコリィは [Absolute Zero] で熱唱したかと思えば [RU 486] では弾き語りで会場を酔わせ、最後は大合唱となりメッセを一つにしてくれた。

夢のような時間が駆け足で過ぎ去る中、日本人のトリを務める DIR EN GREY。
不動の地位を確立した日本を代表するバンド DIR EN GREY は、独特の世界を貫き Ozzfest を暗黒の世界に変えてしまう。
ステージ背面を使って映し出される闇の世界、それに呼応するような [DIFFERENT SENSE]。
ファルセット、デスボイス、シャウトと多彩に歌い分ける京が [羅刹国] [冷血なりせば] で痛みをえぐり出すかのように美しく舞い、そのスケールに圧倒されてしまう。

しっとりと夕闇が忍び始めた頃、TOOL が BLACK STAGE のラストを飾った。
底抜けにダウナーで異質な世界観をもたらす彼らもまた、独自のステージパフォーマンスで場内を震撼させた。巨大モニターに映し出されるヒステリックな映像と照明が目を、次々と変調する解読不能なサウンドが耳に、極上の無を提供してくれた。
唯一無二の孤高なバンド、TOOL の中毒性にしばし呆然となった人は少なくないだろう。

TOOL の余韻を残したまま、会場内に突如サイレンが鳴り響く!
オジーの声と共に、誰もが待ち焦がれた伝説のバンド、オジー率いる Black Sabbath がいよいよ登場した!!怒号とも言える大歓声の中、政治的なメッセージが込められた映像をバックドロップに [War Pigs] がスタート。

とにかく驚愕したのが、60代半ばとは思えないオジー・オズボーンの声量だ。ステージの上で一時も止まらず、絶えず観客を盛り上げる姿は絶好調そのもの。[Into the Void] [Under the Sun] でトニー・アイオミのキラー・チューンが炸裂し、[Black Sabbath] のオドロオドロしい空気で黒魔術でも始まるかと思えば曲が変拍した瞬間、爆発したように会場中が一斉にジャンプ。メッセの床が揺れる揺れる。
[N.I.B] ではギーザー・バトラーがベースソロで全開のヘヴィリフを披露し、オジーがステージ前方で煽れば観客は全力で応え、手を叩けば手拍子が巻き起こる大熱狂っぷりにフロントエリアは常に酸欠状態。

クラウドサーフの波が途絶える事なく、終盤戦では迫力のドラムソロで空気がビリビリ震えるほどの賞賛の拍手に包まれる。ドラムソロからそのまま [IRON MAN] [GOD IS DEAD] へとつなぎ [Children of the Grave] で本編のラストを迎えた。

アンコールはやはりこの曲 [Paranoid] で、これでもかと場内を沸かせると「また来年くるよ!」と言い残し、ロックのレジェンドたちは去っていった。

日本初開催となった Ozzfest JAPAN 2013 は、結成から40年を迎えてもなお HR/HM界に多大な影響を与えるBlack Sabbath を通じ、音楽を楽しむことにジャンルは関係ないという事を教えてくれた。
また来年も Black Sabbath に会いたい。そう願い興奮冷めやらぬ中、2日間の祭典が幕を閉じた。

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